しみ抜き
しみには様々な種類、状態、生地のコンディションにより落とし方、抜き方、直し方が変わってきたりします。簡単に落ちるものもあれば、手間のかかるものも数多くあり、一つずつ処理していく作業になります。
衿袖口の他、胸脇、背、といった胴回りの汗についても、有機溶剤では落ちないので、しみ抜き作業が必要となります。
様々なしみ、様々な生地、様々なコンディションが存在することから作業料金も様々になってしまいます。ご依頼品のお見積りをいたします。
生洗いセット(いきあらい) 通常のお手入れにご利用ください
生洗いとは、着物を解かず仕立て上がった状態のままで有機溶剤を使っての油性の洗いで、汚れ箇所の下洗い処理、続いてすすぎ洗い処理と洗い作業を行います。洗い作業後、屋内で自然乾燥をし、専用の蒸気アイロンでの仕上げ加工を施します。
セット部分は、洗い工程に衿袖口の変色予防のための汗抜き処理をいたします。
汗は溶剤の洗いでは落ちません。水を使っての汗抜き作業が必要になります。衿袖口は直接肌の触れる場所だからこそ汚れもつきやすく、汗もつきやすいです。また、残留させたままでは変色の原因にもなります。 胴回りに汗が浸透していなくても注意しておきたいところです。当店では、お着物のために、通常のお手入れの際は、生洗いセットでのご提供をさせていただいております。
◎衿袖口に、すでに変色が起きている場合は別途でしみ抜き作業が必要になります。
◎部分的な洗いをご希望の場合でも対応いたします。お気軽にご相談ください。
◎お客様のご要望により衿袖口の汗抜き処理不要の場合は、ご依頼時にお申し付けください。
色補正・ヤケ直し
しみ抜き作業によってしみと一緒に地色が抜けてしまう場合や、色ヤケによる色の誤差などに、下処理を行い、染料を使って部分的に直していく作業になります。周りと同じ色を塗れば直るわけではなく、様々な状態を見極めて仕上がりを計算しながらの繊細な作業でもあります。こちらも作業料金は様々になってしまいますので、ご依頼品のお見積りいたします。
柄直し・金彩加工
金彩柄の剥げや柄中のしみ抜き時の色抜けなどの修正作業になります。
基本的に着物のお手入れは元の状態へ戻すことを最善と考えておりますが、しみや生地の状態など場合によっては金彩加工を増やすことや、柄を足すなどのご提案をさせていただき、ご了承される場合は柄足し加工を施します。
また、ご希望により部分的な柄入れなどのご依頼をいただくこともございます。
ご依頼品のお見積りいたします。
専用の蒸気アイロンによる仕上げ加工
上からはボイラーから圧縮された蒸気、下からはバキュームでの吸い取りと、蒸気を通す手法で押しあてるアイロンがけとは少し異なりふっくらとした仕上がり。作業の仕上げ以外でも、着てできたシワや仕舞っていた時にズレてできたシワなど、着用前などにもご利用いただいております。
撥水加工
撥水は繊維の形状はそのままで、繊維をコーティングし雨などをはじいて防ぐ効果があります。
撥水加工はフッ素樹脂コーティングにより水性液体やしみをはじいてつきにくくします。また、縮みやすい生地など、湿気だけで結構縮んでしまうものにも有効な加工です。ただし、汚れやしみが完全にシャットアウトできるわけではなく、温度の高いものや油系には効果が弱くなること、また効果が半永久的に持続するものではありません。
使用済みのお着物の場合は、汚れやしみがあると一緒にコーティングされてしまうので、加工前に一度きれいにする必要があります。
ご理解の上ご依頼ください。お見積りいたします。